Tokyu Corporation

03/29/2024 | Press release | Distributed by Public on 03/28/2024 23:17

廃石膏を活用した新たな資源循環推進に向けた包括連携協定の締結について

東急電鉄株式会社(以下、東急電鉄)、東急株式会社(以下、東急)、東急建設株式会社(以下、東急建設)、東急リニューアル株式会社(以下、東急リニューアル)、株式会社土と野菜、一般財団法人日本土壌協会は、持続可能な循環型社会の実現に向け、建築工事で発生する廃石膏の有効活用ならびに新たな資源循環の仕組みづくりに向けた包括連携協定(以下、本協定)を2024年3月29日(金)に締結しました。

東急電鉄、東急が東急建設、東急リニューアルに発注する建築工事で発生する廃石膏は、2022年度では約235tあり、産業廃棄物として処分しています。
また、東急電鉄が2023年5月から10月まで駒沢大学駅周辺で実施していた「駒沢大学駅前地域循環プロジェクト"KOMAZAWA MOAI FARM"」(以下、本プロジェクト)※1では、抽出後のコーヒー粉をメタン発酵装置※2によって液体肥料化し、本プロジェクトの農園で使用する取り組みを行っていましたが、液体肥料は保管や運搬にタンクなどが必要となり、活用が難しいという課題が明らかになりました。

廃石膏に含まれる硫酸カルシウムは農作物に必要不可欠な養分として利用可能であることや、株式会社土と野菜による研究により、廃石膏と液体肥料を合わせると固形の土壌改良資材になりうるという予測があったことから、本プロジェクトで精製した液体肥料と廃石膏を合わせたところ、農家への運搬・活用が容易な固形の土壌改良資材が精製できることが判明しました。

本協定は、株式会社土と野菜が持つ知見やノウハウにより、工事で発生する廃石膏を活用した固形の土壌改良資材を精製し、さらに、一般財団法人日本土壌協会による土壌評価基準の見直しや助言のもと、株式会社土と野菜の連携する稲作農家へ展開するという、資源循環の仕組みづくりを6者で連携して推進するものです。仕組みづくりの推進にあたり、石膏業界を牽引する吉野石膏株式会社とチヨダウーテ株式会社の技術サポートも受ける予定です。

昨今の猛暑による高品質米(一等米)の収穫量の減少の原因である水稲の硫黄欠乏は、硫酸カルシウムに含まれる硫黄分によって予防できるという研究成果があるため、廃石膏を活用した土壌改良資材の導入は稲作農家の課題解決につながると考えています。まずは大阪府の稲作農家に導入し、更なる展開も予定しています。 

本協定により6者は、廃石膏を活用した土壌改良資材の精製によって、産業廃棄物の削減と稲作農家の課題解決につながる、資源循環の新たな仕組みづくりを目指します。

※1 東急電鉄、株式会社フードリボン、株式会社ドトールコーヒー、株式会社イマックスが連携して、駒沢大学駅周辺の事業者、地域住民参加型
の環境・循環をテーマにした農園を企画・運営するプロジェクト。
※2 リサイクルフッ素フィルムを採用したメタン発酵装置を用い、ドトールコーヒー駒沢大学店で発生する抽出後のコーヒー粉などをたい肥化し、
メタンガス(バイオガス)と消化液に分解し、消化液は液体肥料としてファームの野菜栽培に活用しました。